室内でペットを飼っている方も少なくない時代ですが、犬や猫にもピロリ菌は感染するのでしょうか。またペットから感染する事はあるのでしょうか。ピロリ菌とペットの関係についてまとめます。

犬とピロリ菌

ピロリ菌は正式にはヘリコバクター・ピロリといいますが、ヘリコバクターは20種類以上存在すると言われています。犬には主にH.felis, H.bizzozeronii, H.bilis, H.heilmannii　などで、ヘリコバクターピロリはほとんど存在しないと言われています。また犬の場合、存在してもあまり重篤化しないとも言われています。また豚（日本ではスナネズミ）での胃炎や胃がん発生実験が成功していますが、犬の場合は嘔吐や下痢を引き起こす程度の症状のようです。その理由として犬にみられるヘリコバクターはウレアーゼを持っていない場合や、毒性が低いからだと言われています。

猫とピロリ菌

犬や猫でも人間と同属の数種類のヘリコバクターに感染する事がわかっています。またペットは感染ししている割合が高いとも言われていますが、たとえ感染していても犬や猫で胃炎を起こす事は、まれだと言われています。しかし猫の場合は慢性的な嘔吐がある場合、原因のひとつにヘリコバクターを疑う必要があります。ただ感染状況を把握するためには麻酔をかけて内視鏡検査の必要がありますが、犬や猫の場合はこのような検査は一般的ではありません。猫に感染するものとしてはH.heilmanni, H.Salomonis, H.bizzozeronii, H.felis　などが知られています。

ペットへの感染経路

ペットへの感染経路は、ピロリ菌に感染した飼い主とそのペットがキスをしたり、唾液がついた食べ物を与える事でペットにも感染する事があります。また動物は土など、様々なものをなめるためピロリ菌が付着している物をなめることによる感染経路があります。これらの事からペットへの感染だけではなく、逆にペットからピロリ菌をもらってしまう可能性もあるため、ペットとのキスは衛生上やめておきましょう。

まとめ

犬や猫もピロリ菌に感染する事がわかっています。ピロリ菌に感染しても人間のように重篤化する事はほとんどないのは、ウレアーゼを持っていない場合や、毒性が低いためだと言われています。人間からペットへピロリ菌を感染させてしまう事もあり、逆にペットから感染してしまう事もあるため、ペットとのキスは衛生上おすすめできません。