井戸水は美味しい水というイメージの方も少なくないですが、井戸水を飲むとピロリ菌に感染するというのは本当なのでしょうか。ピロリ菌と井戸水の関係についてまとめます。

日本地下水学会によると

ピロリ菌への感染は免疫が不完全である幼少期が多いと言われており、40歳以上の日本人の約75％はピロリ菌に感染しているとも言われています。上水道の整備が進むにつれ、ピロリ菌感染が減少してきているというデータから、上下水道が不十分だった時代 → 井戸水　＝　ピロリ菌という事になるのではないでしょうか。しかし日本地下水学会によると、地下水からピロリ菌に感染するという情報は持ち合わせておらず、全国各地の名水や湧水、井戸水には水系感染症を引き起こす原因物質の大腸菌や一般細菌が含まれている可能性があり美味しい水や体に良い水と噂される水と衛生的な水質には直接関係がないと発表しています。これらの事は日本地下水学会は井戸水からのピロリ菌感染に対する見解を避けていると考え、井戸水の中にピロリ菌がいないとは言い切れないという事ではないでしょうか。

井戸の深さとピロリ菌の関係

井戸水からピロリ菌に感染するという論文がいくつかありますが、井戸の深さにピロリ菌は関係あるのでしょうか。米国がん研究所による中国での研究で、井戸の深さとそれぞれの利用者のピロリ菌感染率を調査した結果があります。これらの調査結果から、統計学的に深い井戸の方がピロリ菌がいる確率が低いと発表されています。

まとめ

上下水道の整備がすすんでいない時代に幼少期を過ごした方のピロリ菌感染率が高い事から、井戸水にピロリ菌がいると考えられており、そのような論文も発表されています。また、日本地下水学会では井戸水からのピロリ菌感染に対する見解を避けているとも考えられる事から、井戸水の中にピロリ菌がいないとは言い切れないという事になります。井戸水や名水、湧水にはピロリ菌以外にも一般細菌が含まれている可能性もある事から、飲料水とする場合には注意が必要でしょう。